IKARI 親子向けサイト enjoyobou

TOPへ

01

Apr. 2022

4月号「カビが生えないようにするには?」

  • Facebookシェア
  • Twitterシェア

今月号では、私達の生活環境の中でカビを防ぐにはどうしたらよいかについて、お話します。
ポイントは、1月号でお話した「カビの発育4条件:温度、湿度、酸素、栄養分」をひとつでもカットすることです。
具体的に考えてみましょう。

 

温度:カビは20℃から30℃がもっともよく生えます。温度を低くすると生え方が遅くなるので、食品を冷蔵庫に入れるのは効果があります。0℃以下の冷凍庫に入れるとカビは全く生えることができません。反対に、温度を50℃以上に高く保つのも効果があります。食卓の上の冷ごはんにはカビが生えますが、保温中の炊飯釜のご飯にはカビは生えませんよね。

 

ところで、温度をコントロールすることは食品ではできますが、住まいではなかなかできません。私たちが快適と感じる温度はカビのよく生える温度と一致しているからです。

カビと温度

 

湿度: そうしますと、すまいで一番効果があるのは、やはり湿度でしょう。湿度80%以上でカビが生えやすくなりますので、湿度70%以下、できたら60%以下にするよう、心がけましょう。
具体的には、「窓を2か所開けて換気する」、「押し入れや納戸の扉を開けて、空気を入れ替える」、「扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる」などが効果的です。

 

ただし、雨の日は外の湿度が100%近くになっています。そんな時、換気扇を長時間つけっぱなしにすると、家の中の空気が出ていった分、外の湿度の高い空気がどこからか家の中に入ってくるので、注意しましょう。

空気の入り方

 

酸素: すまいでは、当たり前ですが、どうしても酸素をカットすることはできません。
食品では、脱酸素剤、真空パックなどが効果的ですね。

 

栄養分: 食品からは、これも当たり前ですが、カビの栄養分をカットすることはできません。
すまいの場合は、こまめに掃除をして、食品カスや毛、垢、汚れ、ホコリなどを除去することで、カビのエサを少しでも少なくしましょう。

 

<すまいの基本対策(まとめ)>

□できるだけ窓や扉を2か所以上開けて、空気の通り道をつくって換気しましょう。
□湿度80%以上はエアコンのドライ機能などを使って、除湿を心がけましょう。
□こまめな清掃を心がけましょう。
□雨の日には長時間の換気扇使用を避けましょう。
□洗濯物の部屋干しは避けましょう。
□観葉植物はできるだけ置かないようにしましょう。
□窓は結露防止フィルムなどで、結露ができないように気をつけましょう。

カビが生えないポイント



執筆者プロフィール

北海道大学獣医学部ご卒業後、旧大阪府立公衆衛生研究所において、女性で初めてとなる副所長兼感染症部長を務められた。現在は、日本防菌防黴学会理事、日本食品微生物学会理事など多方面でご活躍。

 
 


【専門家コラム】

戻る