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12

Jan. 2022

恵みの多さは時として軸迷子になる!

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新年に入り、さあ!今年も始まったぞ!と意気揚々。
いつもお読みいただきありがとうございます。

 

寅年らしく、チャレンジ精神満ち溢れる1年にしようと心躍る年明けです。
「もっと読みやすくしたら??」と夫に言われ(笑)今年は【書く力】も伸ばしていきたいと思います!

 

さて、常に情報のアップロードを求められる今の時代に、恵まれ過ぎによる課題が少しずつ頭をもたげてきているようです。

 

この変化はビジネスの世界に限らず子育てにも大きく関わっていて、春にはランドセルを背負うことになる我が家の長男も例にもれず、目の前に山盛りのランチプレートがくると、喜ぶどころか「こんなにいらないよ~」と苦笑いし、挙句の果てには「晩御飯はあるものでいいよ」で満足の様子…モノが溢れ、すぐ手にとれる生活や環境は、どことなく感動やモノに対するありがたみが薄れがちになっているように感じます。

山盛りのランチプレート

 

最初は料理の苦手な母の手を煩わせないための心遣いかと思いましたが(苦笑)幼児教育に詳しい方に意見を求めると【恵まれ過ぎによる負荷】は年々強くなっているとのこと。

 

恵まれている生活は子どもの心の充足度を上げ人に優しくなれる反面、競争心が育ちにくく、一見穏やかで素敵なことに思われがちですが、競争社会に飛び込んだ時の対応が追い付かず、現代の社会問題である引きこもりやうつ病などの精神疾患を引き起こしかねないようです。足りないものがあるというのは生きるエネルギーになるので、どうやってその環境を作れるかが大人側の愛情のひとつになってきています。

 

我が家の息子たちは(夫含む)お菓子棚にストックがないと「ない!!」と騒ぎます(笑)
もうすぐ70歳を迎える父は「昔から柿はありがたいおやつやった」と庭にある柿を頬張っていて、そこで息子たちに柿を提案しても「違うねん、そんな気分ちゃうねん」とブーイング。モノが多くあり恵まれている反面、今あるものに目が向かない侘しさを感じましたね!
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」…かのマリーアントワネットの名言も、息子たちからすれば当たり前に聞こえるかもしれないと思えるのですから、ある意味ありがたい世の中です(少し複雑)

 
ケーキ
 

食べるもの・着るものがなかった時代には、ただ【生きること】を必死に考えていたものが、つまりは【生きることはできる】が大前提で、その上にいろんな[オプション]が付け加えられたわけです。
モノを買うときにも、そのモノの価値で買うのではなく、人にどう思われたい、認められるために…という承認欲求で選択することがあったり、周りの[オプション]に合わせようとするあまり不安になり、自分が本来買いたいモノ、本来やりたいことが見えなくなったり…。
だから、【自分の軸が整わない迷子】になるんですね。

土いじり

他を例に挙げると、『家は駅から近い方がいい』という観念。

 

駅チカ物件はお高めであるところからして【近い方がいい】を象徴しているようですが、果たして本当にそうでしょうか?
高い物件だからいいだろう、駅チカ高層マンションに住んでる自分最高!の喜びの舞もいいですが(笑)その一方で、駅から遠ければ家賃が安く移動のバス時間を読書にあてるなど、その遠さが自己成長を促す場合もあります。
つまり、駅から遠いことによる満足度の方が高いことがあるということです!

 

最近深く共感した言葉との出会いがありました。

 

『阿留辺幾夜宇和(あるべきようわ)』

 

華厳宗(けごんしゅう)の僧である明恵(みょうえ)が説いたもので、
「人には生まれ持った性格や能力があり、境遇がある。人それぞれのあるべき姿に徹して生きることが大切だ」というもの。
これを平仮名のもとになる漢字を使って『阿留辺幾夜宇和』の七文字に表したとのことなのですが、

 

気ぜわしいこの世の中で一旦深呼吸したくなる言葉ですね!

 

多くの恵みに意味を見出せるとその先に自分がどうあるべきか、そのあるべき姿に近づくためにどうすればいいのかが見えてくる。
嘘でもいいから『自分は恵まれてるな』と感謝できることを挙げてみるとフッと世界が広がるかもしれません。
感謝の気持ちからは、自然とポジティブな言葉や感情が湧き上がってくるものですよ。

道しるべ
 
 
 

突然ですが、宝塚歌劇団のタカラジェンヌたちの中には
『私がさせていただきます』文化があります。

 

詳しくは次号で書こうと思いますが、この『私が』『させていただきます』のキーワードは無敵の思考に繋がるので、頭の片隅に入れておいてくださいね。

 

ではまた次号をお楽しみに!

 



ライタープロフィール

ダリア農家の後継者として株式会社ダリアジェンヌ 代表取締役を務め、地元宝塚市のナビゲーターとして
市のイベントPRをされるなどご活躍。

 

農村地ダリアの里に生まれ、17歳のときに宝塚音楽学校に合格。19歳で初舞台を踏む。

 

退団後は上京し介護福祉士として現場に勤務。
結婚を機に帰郷し故郷の過疎化にショックを受けたことで、地域特産のダリアの花や球根を活用した宝塚ブランドを立ち上げる。
現在 2人の男児の母親として、子育てを行いながら仕事を両立させている。

 
 


【専門家コラム】

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