07
May. 2025
保護者向け
梅雨は特に注意!家の中のカビ対策
6月はジメジメとした季節。カビにとっては過ごしやすく、繁殖しやすい季節です。見た目やニオイも気になりますが、健康にも悪影響なカビ。カビが生える仕組みを知り、ご家庭で対策を行いましょう。
■ どうしてカビが生えるのかを知ろう!
どれだけ掃除をしてもすぐにカビが生えてくる、という経験はありませんか?もしかすると、そこがカビの生えやすい環境になってしまっているのかもしれません。そこで、カビ対策を行う前に、まずはカビがどのような環境で、どのように発生するのかを知りましょう。
・カビが生える環境
カビは、条件が整った環境で成長します。その条件とは、温度、湿度、酸素、栄養分の4つ。裏を返せば、この4つのうち1つでも揃わなければ、カビは成長しません。
温度
20℃~30℃でもっともよく生えます。20℃以下ではゆっくり生え、30℃以上では生えることができる種類が限られてきます。
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湿度
湿度が高いほうが生えやすく、湿度が60%以下になるとカビは生えることができません。
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酸素
カビが生えるには酸素が必要です。逆に、酸素がないと、カビは生えることができません。
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栄養分
住まいの中では、ホコリ、食べ物のカス、皮脂などがカビのエサになります。
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・カビが生える仕組み
カビは一体どこからやってくるのでしょうか。実はカビは、目には見えない小さな胞子の状態で空気中を漂っています。カビの胞子はやがて落下し、そこがカビにとって条件の整った場所であれば成長を始めます。落下後すぐは私たちの目には見えませんが、そこで芽を出し、菌糸を伸ばして成長していくにつれ、私たちの目にも見えるようになるのです。これが、カビが生える仕組みです。成長したカビは胞子をつくり、その胞子がまた空気中を浮遊するため、放置していると数がどんどん増えていきます。
■ 家の中でカビ対策をしたい場所4選!
・浴室
家の中でカビが生えやすい場所と言えば、やはり浴室です。温かく湿度が高い環境に加え、皮脂や垢がシャワーの水しぶきによって浴室全体に飛び散るため、カビにとってはまさに楽園と言えるでしょう。床や壁のカビが目立ちますが、実は天井にも目に見えない薄いカビが生えることがあります。天井に生えたカビが浴室全体に胞子を広げるため、掃除をしてもすぐにカビが再発してしまうのです。
- 対策
- 塩素系のカビ取り剤でカビを落とす
- カビの発生を防ぐ、くん煙剤を使用する
- 汚れをためないように、こまめに掃除する
- 天井の掃除も忘れずに行う
☞天井掃除のポイント
*洗剤をスポンジや布に少量取って塗り広げる
*薬剤が垂れてくる可能性があるので、必ずメガネと手袋を着用する

・冷蔵庫
冷蔵庫は低温のため、安全な場所だと思われがちですが、実際にはカビが発生することがあります。内部の温度が上昇すると、パッキンや食品にカビが生える原因となるため、特に気温が高い夏場には注意が必要です。自動製氷機付きの冷蔵庫を使用している場合、給水タンクに水を長期間入れたままにしておくと、カビが発生する可能性があります。カビが混ざった氷ができることがあるので、十分に気を付けましょう。
- 対策
- 扉の開閉時間を短くする
- 扉の開閉回数を少なくする
- 温度の高い食材は、冷ましてから冷蔵庫に入れる
- 冷気がいきわたるよう、冷蔵庫の中身を詰め込みすぎない
- 自動製氷機のタンク内の水はこまめに取り換え、取り出しできる部品は定期的に洗浄する

・エアコン
カビがエアコン内部に侵入すると、冷却ファンや送風ファンなどにくっついて成長を始めます。特に夏場はエアコン内部が結露しやすく、カビが繁殖しやすい環境となるため、十分な注意が必要です。エアコン内に発生したカビは風に乗って室内に広がり、悪臭を放つだけでなく、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、過敏性肺炎などの原因となることもあります。エアコンのカビ対策は徹底して行いましょう。
- 対策
- フィルターをこまめに掃除する
- エアコンの電源を切る際は、送風運転に切り替え内部を乾燥させる
- 自分で掃除できないところは専門の洗浄業者などにクリーニングしてもらう
自動掃除機能が備えられている機種もありますが、ゴミを捨てる作業などを忘れがちです。人が行わなければいけないメンテナンスも忘れずに行いましょう。

・洗濯機
目に見える部分がキレイでも、洗濯槽の裏側にはカビが潜んでいることがあります。洗濯槽の裏でカビが繁殖すると、それはまるでカビで汚れた水で洗濯をしているのと同じです。本来、衣類を清潔に保つために行う洗濯が、逆に洗濯物を汚染し、カビの不快な臭いを引き起こし、衣類には大量のカビの胞子が付着してしまいます。
- 対策
- 洗濯後は洗濯機のフタを開けて、内部を乾燥させる
- 洗剤はカビの栄養となるので、使いすぎに注意する
- 洗濯槽用の洗剤を使い定期的に洗濯機を洗浄する
- 縦型の洗濯機は、洗濯槽の上部に洗剤の泡が残りやすくカビが生えやすいため、洗濯槽を洗浄する際は上部までたっぷり水を張る
乾燥機能がついている場合は、洗濯槽内部も一緒に乾燥できるため、カビ予防に効果的です!

参考文献
・日本防菌防黴学会(2019)、『菌・カビを知る・防ぐ60の知恵』、化学同人。
・enjoyobouHP「スペシャリストに学ぶ 1月号「カビってどんな生きもの?」,https://www.sakulife-ikari.com/3h/kabi2201/,(2025年3月31日アクセス)。