咲くLife

vol.8
Aug. 2021
梓 晴輝さん
「咲くLIFE」、8人目のゲストは、子育てと介護、仕事を両立してこられた梓晴輝さんです!
梓さんは普段私たちが忘れてしまっているような、当たり前と感じている親の存在や地域の方々の温かみなどに感謝の心をもつ、とても優しく清らかな女性です。

梓さんはご結婚を機にお仕事を辞めて宝塚市へ戻り、そこからなぜ、働こうと思われたのですか。
― 元々仕事は好きで、子育てしながら仕事を続けてくれていた母に憧れがあり、自分もそんな風に生きていきたいと思っていました。そんな中、家の近くあるダリアの球根出荷場所に手伝いにこないかとの話があり、私自身ダリアのことをもっと知らなければと思っていたので行かせてもらいました。そのとき、作業場の光景に衝撃を受けたのです。私が小さいときは賑やかだった場所が、超高齢化による人手不足、過疎化により、片手ほどの人数になっていました。その背景には、作業が大変、過酷、そして、天候に左右され、鳥獣被害もある仕事であることから、子どもにそんな大変なことをさせたくないという親の思いもあったのか、産業自体に携わらない人たちが増えていることがありました。話には聞いていたものの、実際に目の当たりにすると自分の認識の甘さに愕然としました。こうなる前に、なぜもっと早くこの産業に目を向けなかったのかと後悔が募り、幼い頃から育ててもらった地域を復活させたい、とアドレナリンがみなぎったのです。

梓さんの地域への思い入れはよく伝わってきました。起業する実行力に頭が下がります。商品販売に至るきっかけはありますか。
― 農家は栽培に必死で、社会の人たちに認知してもらう活動が足りていませんでした。私がやらなければいけないことは村の魅力を伝え、多くの人に知らせるとだと考えたのです。そう思っていた矢先に、商品にならず廃棄されているたくさんのダリアの球根が目に留まりました。この球根を活かして、産業をPRできるものがつくれないか…そして家族を想いふるさとを想うようなものを…そこで出来たのが、ダリアの球根を配合した商品たちです。販売開始時期について、実はその年の9月に出産して、新生児の息子の子育てしかしない1ヶ月間が暇だったんです(笑)息子が寝てしまって手持ち無沙汰になる時間を使って、Facebookで「買いたい人いますか」と聞いたらすごい反響だったんです。ダリアが一番きれいな時期は10月で、ダリアの加工品を出す前からダリア農園での思い出や、農家さんに可愛がってもらったストーリーを語っていたので、応援してくださる方がいたんですね。宝塚市からも色んな助成金などのご提案を積極的にいただきました。国・県・市へプレゼンを行う時には、持ち前の暑苦しいパフォーマンス能力を活かしました。(笑)見ていてくれる人がいるもので、地域支援コンサルタントの方からオファーをいただくこともできました。

思い描いた通りに事が進んでいるようにみえ、本当にすごいことと思います。梓さんだけではなく、地域の皆さんの思いを実現された証拠ですね。
― 一筋縄ではいきません。私の動きに対してダリア農園さんは二極化しました。応援してくれる人がいれば、村に人が来たら騒がしくなると考える人、また、私自身のネーミングバリューを作るために村を利用しているだけだと考える人もいます。出る杭は打たれるのが世の常で、距離感が非常に難しいです。人を変えることはできないので、応援してもらえるように、私は広報・PRポジションで地域に貢献したいと考えています。

梓さんの純粋な思いを届いてほしい相手に確かに届ける努力が、これからも必要なのですね。しんどくなったりしませんか。
― 私がPRで行ったのは、ダリアの産業の歴史から説明することです。かつては活性していた地域産業を助けたい。という思いを話していました。それも一部では拒絶されました。でも、不思議なことに、私の心に貯まっている貯金箱は愛でいっぱいなんです。ネガティブなところに目が行きすぎると、当たり前の幸せを忘れてしまいます。私の強みであるPR力で少しでも地域を元気にし、メディアを村に呼び、地域の人に主役になってもらうことで、みんながWin-Winになればと思います。幸せを自ら引き寄せるのです。

つい忘れてしまうのですが、普段当たり前だと思っていることを意識してみると、健康で仕事をさせてもらっていることも本当に恵まれていることですよね。梓さんが大切にしていることを教えてください。
― 小さいことを全て拾うことです。ダリアの産業には90年の歴史があります。今まで継いでくれた先輩方の姿を見ているだけでありがたい、幸せだと思います。花が咲けば「ありがとう」と思いますし、感謝の気持ちは途絶えません。時には解決の難しい壁にぶち当たったり、世代間の文化の差に苦しむ姿を見て、娘のことを思う母には心配をかけたこともあります。たとえありがた迷惑だと思われても、私はダリアの球根を活かし、この産業を活性させることに確信をもって取り組んでいます。

とても心打たれる熱いメッセージをありがとうございます。何事も自分自身の捉えようですね。梓さんがこれまでで一番嬉しかった出来事はどんなことですか。
― そりゃ、宝塚歌劇団に受かったことですよ!(即答ですね(笑))もちろんです!村からタカラジェンヌが生まれた、『地域のスター』と皆さんに祝福していただきました。私はこれまでもこれからも、人から支えてもらっている人生です。

今からタカラジェンヌになったことを振り返ると、何か思うところはありますか。
― 当時は、憧れの舞台に立って輝いてみたいと思い、入団しました。でも今振り返ると、宝塚市南部にある宝塚歌劇団と、北部のダリア農園は、どちらも私の生まれ育った宝塚市の一大産業なんです。そう考えると、全ては現在の活動につながっていたんだと思います。タカラジェンヌとして舞台に立っていた当時も、トップスターになることへの執着ではなく、誰かのためにやりたい、人のためにやっていたいと思っていました。

常に周囲や第三者が第一で、ご自分は二の次なんですね。それが生きがいや喜びなのでしょうか。
― 自分のためではなく、誰かのためだから頑張れます。そうではありませんか。自分がやりたいと思ったことも、その結果、誰かのためになるから恐れずに進むことができます。

起業家として達観されていらっしゃいます。今後の夢をお聞かせください。
― 子どもが何でも挑戦できるような環境をつくることです。挑戦する人を応援できる場ですね。

ダリアジェンヌさんの今の事業で体現されていらっしゃるのですね。最後に、読者の方へメッセージをお願いします!
― あなたに出会ってくれた人には出会う理由がある。あなたがそこにいるということにもすべてに意味があります。それに気付けると、人生ハッピーですよ。自分の価値がわからなくなってしまうと、心が病んでしまいます。しんどい時はお母さんに抱っこしてもらっていた頃を思い返して、産んでもらえた奇跡に感謝しましょう。あなたが産まれたことには意味があります。
最後に生きるうえで大切なことを教えてもらいました。「誰にだって輝ける場所がある」梓さんは取材の中でそう仰っていました。私も梓晴輝さんの一人のファンです!
そして、さくらいふもダリアジェンヌさんのビジョンに共感し、ダリアジェンヌ×Sakulifeのコラボ石鹸が誕生することとなりました!8月16日より先行販売の予約受付を開始し、先着100名様に梓晴輝さんのサイン入りマスクケースと千社札をプレゼントします。詳しくはさくらいふHPでご確認ください!
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