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咲くLife

vol.10

Oct. 2021

ユウコさん

「咲くLife」、10人目のゲストは、ご家庭と仕事を両立させ、海外市場で活躍するユウコさんです!
ユウコさんプロフィール

グロリアが取材!

これまでユウコさんはどのようなお仕事をご経験されてこられたのでしょうか。

ー 入社後は中国市場へ導入する高級車の価格や販売台数、販促方法を考える業務です。具体的にはターゲットユーザーは誰か、競合は何かなどを分析して、収益目標や販売台数の計画を立てます。

ユウコさん写真
中国でのプレス発表
グロリアが取材!

大学を卒業して任される業務の裁量が大きいですね。やりがいがありそうです。これまでユウコさんが歩まれてきたキャリアで、一番印象に残っているお仕事はございますか。

ー 世界初のHV専用ラグジュアリーカー「CT200h」を中国に導入する際の価格を設定したときのことです。当時中国でのHVの認知度は全くと言っていいほどでした。当時は日本でもPM2.5のニュースが取り沙汰されていたため、私は中国にハイブリッドカーを根付かせたいと思い、お客様が本当に必要な商品仕様を取捨選択し、競合とは一線を画した価格を実現しました。中国でのプレス発表で価格発表の時に起こった拍手喝采は、今でも忘れることができません。CT200hを頭出しに、その後も続々と新型HVモデルが中国に導入され、価格策定に携わりました。現地政府の環境政策もあり、HVモデルの販売台数はこの数年で25倍になりました。ハイブリッドカーは環境に優しいと考えられていますが、環境に貢献できるのは「普及してこそ」です。普及可能な価格を設定するかどうかで、台数は大きく変わる。自分の仕事と社会(地球)との繋がりを実感できた経験でした。

グロリアが取材!

CT200hは中国のハイブリッドカー市場の先駆者だったんですね。社会的にもすごい偉業を成し遂げたと言っても過言ではないです。社会人に成りたての人間にとって、このように大きな仕事を不安に思うことはなかったのでしょうか。

ー 一人で対応しなければならないことではありません。はじめはOJTが手取り足取り指導を行ってくれるのが当社です。この時も、トヨタ中国のローカルメンバーと一緒に、分からないときは上司へ相談しながら進めましたので、一人ぼっちという感覚はありませんでした。

グロリアが取材!

一人の裁量を大きく、そのためのサポート体制が構築されているので個人のやりがいも大きくなるのですね。素晴らしい仕組みだと思います。実際に対応されるのは担当者個人だと思いますが、部署内や上長とのコミュニケーションはどのようにして図られるのですか。

ー 毎日昼礼を行ったり、週に一度グループミーティングがあります。そこで進捗を共有することで上長は部下の動きを管理しているんだと思います。

グロリアが取材!

在宅ワークが当たり前になり、これまで以上に状況の把握が難しくなっていますが、仕組みがしっかり機能している証拠ですね。見習います。現在子育てと両立されながら働いていらっしゃるユウコさんですが、何かお困りごとはございますか。

ー 在宅でTV会議を行っている最中、子どもが「お腹が空いた~」と訴えることですね。現在ではそのようなときも上長へ相談できるようになったので、とても助かっています。

グロリアが取材!

なかなかユウコさんの立場から言いにくいことかもしれないですが、業務を遂行するにあたり、とても大切なことですね。些細なことを伝えられる風土をおつくりになっている上長さま、素敵です。子育てしながらも、会社の期待に応えるユウコさんですが、これまで辛かったことはございませんでしたか。

ー 子どもを産むまではフルタイムで夜までよく働いていました。出産後は時短勤務にさせていただき、これまで100%で働けていたのが戦力ダウンします。会社に申し訳ない、私なんて必要ないのではないかと、自信を喪失し、上長へ相談したことがありました。その時の上司の言葉が私を救ってくれました。「お前を採用するのに、会社はどれだけのお金を投資しているか考えたことはあるか。一人前に育てるには数年かかる。やっと独り立ちできた人間が辞めてしまって0%になるのであれば、40%、60%でもいいから働いてくれる方がいいに決まっているだろう。100%と比べなくていい。今自分にできる範囲で貢献してくれ。」という内容でした。当時の私は過去の自分、周囲でバリバリ働く同僚と比べていました。上司の言葉に心が救われ、今の私があります。

グロリアが取材!

感動的なエピソードですね。真にその通りだと思います。誰かと比較するものでもなく、人それぞれ状況は異なります。本人に頑張る気持ちがあるのであれば、上司としてはできることはサポートしたいと思います。ユウコさんは責任感のお強い方なので、上司の方も逸材を失うわけにはいかなかったんだと思います。子育てに対して、ご家族のサポートはいかがですか。

ー 育休中から主人と分担していました。実家は和歌山なので、夫婦で協力しながらやっています。主人は朝の育児と、保育園に連れて行くのが役割です。また、ありがたいことに、仕事がしんどければ辞めていいと声をかけてくれます。

グロリアが取材!

理想とする旦那さまですね。旦那さまのお仕事をお聞きしてもいいですか。

ー 医師をしています。夜勤や緊急もありますが、木曜の休診日はママの「がっつり仕事デー」パパの「がっつり育児デー」にして、習い事対応や食材の買い出しをしてくれています。

 
ユウコさん一家

グロリアが取材!

お医者さまなのですね。夜勤や緊急のこともあり、とても大変なお仕事をされている中、お子さんのお世話もしてくれるなんて、ユウコさんが羨ましいです。そんな素敵な旦那さまがいらして、ユウコさんがお仕事を頑張る理由はなんでしょうか。

ー 子どもに働く母の背中を見せたいからです。そして、自己成長のためです。私は働き始めてから今も、前進を止めたくないんです。

グロリアが取材!

とってもカッコいいお母さんです!仕事に向き合う姿勢は、誰もが納得されていることがよくわかります。取り乱すことがなさそうなユウコさんですが、気分転換はどのようにされているんですか。

ー 一人でマッサージに行ったり、海辺をドライブします。お酒が好きなので晩酌もします。仕事を辞めてしまうと子育てが仕事になりそうで、今は仕事の気分転換を子育てや家事でしているので、うまくバランスが取れています。

グロリアが取材!

自分のことをしっかり理解できている故のセルフコントロールが、大人の余裕を生み出しているのですね。今後の目標は何ですか。

ー ゆとりのある働く女性になることですね。私はできた人間ではないので、1日中パジャマで過ごしたい日もあります。数少ない周囲のバイタリティ溢れる女性社員と比べて落ち込む女性に対して、等身大でいいんだよって言ってあげられる存在になりたいです。普通の女性の方が圧倒的に多いからです。勿論仕事には全力で取り組みますが、無理せず時短でも働き続けられるように、気を緩められるような存在でありたいと思っています。

グロリアが取材!

何事も継続が重要だと思っています。無理をして折れてしまうと復帰するまで時間がかかってしまいます。細くとも長く続けられることが、結果的に大きな成果につながると思います。ユウコさんの存在は働く女性にとって大変心強いです。最後に、読者の方へメッセージをいただきました。上述内容と重複部分がありますが、大切なことなのでぜひ最後までお読みください!

①なぜ働くかの意義を見出せず悩んでいる女性へ
 Watch myself grow slowly but surely!

 
②出産後フルスイングで働けず、自分を責めている女性へ
 私が「キャパオーバーで申し訳ない、もうこんな中途半端な社員は辞めた方が会社の為だと思う」と泣きついた時の、上司の言葉をシェアします。
 「10点と6点を比べちゃいけない。0点と6点を比べたら、6の方がいいに決まっている。採用時から時間とコストをかけて育てた大事な社員なんだから、働きな!」と言われ救われました。

 
③等身大の悩める女性が大多数だということ
 インタビューで取り上げられる女性や、採用で紹介されている女性はカッコいいい「スーパーウーマン」が多いです。私自身、それらを見ては、憧れの念と同時に「自分とは違う特別な人たち…」と落ち込む事がありました。なぜなら、「スーパーウーマン」はバイタリティもあり、時間を無駄にせず、全力で生きて輝いておられます。中には「男並みに働いてますよ!」という方もいらっしゃいます。それに比べて私は、体力に自信もなければ、ボーッとする時間も欲しく、一日何もせずパジャマで過ごしたいくらいグウタラで、不器用な人間です。私のような等身大の女性がいっぱいいるんだよ、という事を心の拠り所にしてほしいと思います。
 「スーパーじゃないウーマン」は、自分をボロボロにしてまで、子どもに負担をかけてまで、男並みに頑張る事は無いと思います。「女も、男と同じ環境で働けます!」が男女平等なのではなく、女性の体力で、女性という性を受け入れながら働けて初めて、本当の意味でのダイバーシティではないでしょうか。120%の全力を出して自分を傷つけずに、常に80%くらいをキープして、残りの2割は周りの人が困った時にすぐ助けてあげられるようなゆとりを持って生きていたい。私も、「ゆとり」がないので自戒の念を込めてです。

 


熱いメッセージをありがとうございます!いつも悩み抜いておられる姿が容易に想像できました。全力で生きているからこそのお言葉ですね。

 
インタビュー後、ユウコさんの悩みについてお伺いしました。「子どもにとって母が働くということについて、何がベストなのかは一生の悩みです。”働く背中を見せたい”と思った時に、背中から悲愴感や苛立ちが出ていると子どもに悪影響だと思います。専業主婦で100%育児家事に目を向けた時、今より気持ちに余裕が出て子どもに優しく接する事ができるようになるのか。それとも、育児家事が自分にとっての「仕事」になってしまい、今よりも育児家事を楽しめなくなるのか。は分かりません。」私はユウコさんご自身が納得のいく生き方、選択をされ、悩みながらもイキイキ過ごしておられる姿を、全力で応援したいと思います!

 


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